外壁調査で調べる内容

外壁調査を行う目的として、建物の外壁にどのような劣化が生じているのか、またその劣化の数や分布、劣化進行がどの程度生じているかを把握する事があげられます。精度の高い外壁調査を行う事は、適正な建物の維持管理状態に大きく寄与します。今回のブログでは、外壁劣化で調査する主な劣化について説明していきたいと思います。

1. ひび割れの調査

外壁にひび割れが生じている場合、ひび割れ部から雨水が建物内に進入する可能性があるだけではなく、仮に漏水にまで至らなくとも、侵入した水は外壁自体の劣化進行を早める原因になります。そのため、実際の外壁調査ではひび割れの有無・幅・形状等の把握はとても重要な項目となっています。既存の調査方法としては調査員が目視で詳細に見ていく手法がありますが、安全性・効率性の観点から、最近はドローンなどの最新の撮影デバイスを用いた調査が増えてきています。

2. 剥離・浮きの調査

鉄筋コンクリート造の外壁やPCパネルで仕上げ材にタイル等の貼物を用いている場合、長期間外部に晒される事で徐々に浮きが進行するとともに、浮きが進行すると最終的に剥離に繋がる場合があります。剥離が生じると剥離物による第三者への加害の可能性があるほか、外壁による建物の保護機能自体も低下するため、浮きの有無・範囲等の調査もとても重要となります。既存の調査方法としては打診棒による打診音で浮きを判断する打診法がありますが、精度は高いものの時間・コストが大きいため、最近は赤外線カメラによる地上からの撮影や、赤外線カメラを搭載したドローンを用いた撮影手法が増えてきています。

3. エフロレッセンス

ひび割れ部からコンクリート内に水が進入しモルタル中の可溶性物質(水酸化カルシウム)と混じり、それがひび割れ部から滲み出し、それが空気中の炭酸ガスと反応して白く固まったものをエフロレッセンスと言います。エフロレッセンス自体は構造物に損傷を与えるものではありませんが、エフロレッセンスがある事=水道になるひび割れがある事になるため、発生状況は詳細に確認をする必要があります。

4. シーリング材の劣化

外壁のつなぎ目・柱と壁の取合い部・窓周り等に使用されるシーリング材は、紫外線や雨風の影響で劣化しやすい部分となります。劣化が進むと硬化してひび割れが生じ、雨水進入の原因になりますので、シーリングの劣化状況の確認は重要です。歩行レベルの劣化であれば歩きながら確認できますが、高所の場合はドローンによる撮影手法で効率よく全体の劣化状況を把握する事が可能です。

5. 塗膜の劣化(チョーキング現象)

外壁塗装が劣化すると表面が粉状になり、手で触ると白い粉が付くチョーキング現象が発生します。この現象は塗膜の防水性能が低下しているサインとなります。塗膜の剥がれや退色も、塗装の劣化を示すため確認をしていきます。

今回は主な調査項目をあげていきました。いずれも調査員がドローンによる調査で効率化が図れる所が大きいため、ドローンの適用事例が増えてきているのが現状です。ドローンによる調査について不明点等があれば、是非我々ドローン赤外線外壁診断センターへお問い合わせください。

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