安全・効率・低コスト!ドローンで革新する赤外線外壁調査

この記事では、建築基準法で定められた建築物の外壁に関する定期報告制度、ドローンを使った赤外線外壁調査について、解説します。

建築物の定期報告制度(建築基準法第12条1項)

特定の大きな建築物については、建築基準法第12条1項に基づく定期報告制度で、定期的な調査が義務付けられています。外壁に関しては、おおむね6ヶ月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10 年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うこととされています。

対象の建築物ではなくとも、建築物の外壁が崩落して通行人や利用者がケガをしたり、車を損傷したり、物品を破損した場合には、建物の所有者・管理者は損害賠償請求をされるおそれがあるので、不動産管理会社やビルオーナーの方は、この制度と同程度の検査をしておく方が良いでしょう。

ドローンを使った建築物の定期報告制度

2022年4月に建築基準法が改正され、無人航空機(ドローン)を用いた赤外線外壁調査が正式に認められました。ドローンを用いた赤外線調査は、従来のハンマーなどを使った打診調査に比べて効率的で、安全性が高いと評価されています。

ドローン空撮を利用することで、調査に要する時間が短縮され、コスト削減にも繋がります。

赤外線外壁調査の原理

建物の外壁に劣化や損傷がある場合は、建物の本体と外壁の間に余分な空気が入るために温度差が生じます。赤外線調査では、この温度差を赤外線カメラで検知し、ひび割れや空洞、断熱不良などの起こっている箇所を特定します。

また、ドローンは高所でも自由に撮影できるため、損傷の程度や詳細な位置も正確に知ることができます。

ドローン赤外線外壁調査のメリット

ドローン赤外線外壁調査には足場を組む打診調査に比べて、多くのメリットがあります。

安全性の向上

ドローンを使用した赤外線外壁調査では、高所作業の必要がないため、作業者の安全性が大幅に向上します。従来の外壁調査は、足場を組んでの高所作業のため、工具が落ちたり、作業員が落下したりして、ケガをするというリスクがあります。
しかしドローン空撮は、地上から調査を行うため、こういったリスクはありません。

コスト削減

ドローンによる赤外線外壁調査ドローンを使用することで、コストの大幅な削減が可能です。従来の調査方法の場合は足場設置や高所作業車のレンタルなど、多大な費用が必要でしたが、ドローンを使用することでこれらのコストが不要となります。

また、ドローン赤外線外壁調査では劣化部分を拡大しての撮影、広く外壁全体の赤外線撮影も可能なので、打診よりも早く・詳細に調査することができます。

さらに、赤外線ドローン外壁調査は早ければ半日もかからず完了するため、時間コストも削減され、結果として全体のコストが削減されます。

効率的で信頼性の高い調査方法

このように、ドローンを使った赤外線外壁調査は、効率的で信頼性の高い調査方法として、国土交通省からも認められており、今後ますます普及することが期待されています。